ラブレターフロム彼方

寝つきは良い方だ。むしろ良すぎるといった方が良いぐらいだ。何しろ、一度目を閉じてしまえば、目が覚めるまでは記憶を失っている。機械のスイッチをパチリと切るように、意識が暗転する。眠るというより、気絶するといった方が正確か。(笑)
目覚める時は、これまたほとんど一瞬でパチリと意識が戻る。寝ぼけて意識がボンヤリしているということは、まずない。
目覚ましの音で起床するということがほとんどない。用心の為に一応セットはしてあるが、大抵はベルが鳴る前に目が覚める。よほど疲れてグッスリ眠り込んでいるとか、睡眠時間が足りていないということでもない限り、目覚ましのお世話にはならない。
だから、遅刻というものをしたことがない。一度、目覚ましのセットを忘れた時に、たまたま目が覚めなかったことがあった。一時間ほど寝過ごした。しかし、平日の朝の目覚ましの時間設定は、家を出る1時間半前にしてあるから、それでも遅刻をする気遣いはない。


意識が戻る時に、時々、声が聞こえることがある。起きる時間だから起きろ、と起床を促す声だ。「あれ?」と思って目を覚ますと、しばらくして目覚ましが鳴り出す。
アメリカの作家ジョン・トーランドは、著書「アドルフ・ヒトラー」の中で、ヒトラー自身が、のちにイギリスの通信社特派員ウォード・プライスに語った言葉として次のように紹介している。
「私はあのとき、戦友たちと夕食を摂っていた。すると突然、ある声が私に、『立って向こうへ行け』と命じた。その声が、あまりに明瞭に同じことを繰り返したので、私は上官の命令を聞くように機械的に従い、20ヤードほど移動した。とたんに、いままでいた場所から衝撃と轟きが押し寄せた。そのときまで私も属していたグループの上に、流れ弾が炸裂して1人残らず死んでしまったのだ。」
「心の声」は寝坊しないように起こしてくれたり、時には命を救ってくれたりもしてくれるけれど、あまり耳を傾けすぎると、最後はヒトラーや麻原のような運命を辿ることになる。そうでなくても、「心の声」に忠実に行動して、犯罪を犯す輩は枚挙に暇がない。
そういえば、俺の「心の声」は、こないだ、こう言って起こしてくれた。
「股ぐらにまっしぐら」
・・・・・・・・・。
ダジャレかよ!オヤジギャグかよ!!

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