タビラ・ユウスケの日記―きれそうなわたしの12か月 秋冬篇

昨日、会社の帰りに、会社近くの本屋で雑誌を読もうと思って、読みたい雑誌を手に取ろうとしたら、その雑誌の棚の前に一人の兄ちゃんが陣取ってて立ち読みしてるんすよ、取りにくいんすよ。あ、すいませんねぇ、これ読みたいもんでつう感じで控えめに、棚から雑誌を取る俺をちらっと横目で見たつうか、まぁ横目でちらっとみたんじゃねぇかな、この兄ちゃんみたいな感じだったんすけどぉ、特に脇にどくことも無く、そこはしかし、ほら俺って大人じゃないすか、十分、つうか十分すぎるくらい。で、特に腹を立てることもなく、その雑誌をしばらくペラペラめくってたんすよ。で、読み終わったんで、棚に戻そうとしたんすね。ところが、その棚、その雑誌がギッシリ押し込んであるもんで、なかなか入らないんすよ。さっきの兄ちゃんは相変わらず、邪魔な位置に陣取って立ち読みしてるし、雑誌ってペナペナじゃないすかぁ、で、棚はギッシリだしぃ、なかなか入んないんすよ。段々、俺、イライラしてきたっすよ。でも、そこはそれ、大人なんで、十分、つうか十分すぎるくらい。な、普通は、な。普通はそうなんだよ、俺も、な、普通はそうなんだけどさ、この、雑誌がさ、この兄ちゃんが、さ、ちょっと、この、あの、俺も大人だから、さ、ね、この。なかなかね、この雑誌が、雑誌がさぁ、この。
って・・・。


「て、てめぇええええ!このっ!!いい加減にしやがれゃあ!!くぉのぉおおおおっ!!!!」
普段、温厚な俺でも、さすがにアレだね、アレだよ、手に持ってた雑誌を棚に叩き付けると同時に、懐から、アレだよ、アレ、あの、いつも持ち歩いてるチャカ出してさ、チャカ出してえ、棚に向かって、両手で持ってまっすぐ構えたわけさ、思いっきり、その雑誌の棚睨んで。
「くぉおおおら!てめ、くぉおのっ!!なめてんのか、てめ!!!」
いやぁ、久しぶりにチャカなんか構えたんで、力入り過ぎちゃってさぁ、突き出してる両腕ブルブル震えちゃったよ。参ったよ。いやいや。
あれ?あんだけシッカリ自分の位置をキープしてた兄ちゃん、いつの間にかいなくなっちゃたよ。あっはっは、参ったな、いやいや。
いやいや、俺もさ、普段は大人なんだけどね、大人なんだけどさ、十分ね、いや、十分すぎるぐらいね。いやいや、あっはっは。
※フィクションです。

ブリジット・ジョーンズの日記―きれそうなわたしの12か月 秋冬篇
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