NO MUSIC, NEW LIFE 2008

電車の中で、目の前に、携帯プレーヤーを使って音楽を聴いている兄ちゃんが立っているわけだが、ヘッドフォンからは音がダダ漏れですバイ、兄ちゃん。
ダダ漏れですバイ、兄ちゃんて。
つ●ぼになるバイ、そげんデカか音で聴きよったら。
「つ●ぼになるバイ、兄ちゃん。つ●ぼになるバイ、て。」と、口に出して兄ちゃんに向かって言ってみるが、ヘッドフォンからは音がダダ漏れな塩梅なわけで、どうせ聞こえやしない。
聞こえんやったら、いくら言うても意味はなかか。
なら、これやったらどうや。
「つ・●・ぼ、つ・●・ぼ」と、件の兄ちゃんに向けて、一語一語、はっきりと口の形が見えるようにして言っていたら、カミさんに止められた。
なぜ、止めるのだ。親切心でやっているのに。
というのはウソで、もちろん、電車の中で、携帯プレーヤーを使って、ヘッドフォンから周囲に音をダダ漏れにしているような、馬鹿な輩が大嫌いなだけだ。


音楽というものは、2個のスピーカーの間、聞く位置がちょうど正三角形を形成するような場所に正座して、一音も聞き逃すまいと全神経を集中して閉眼し、眉間にしわを寄せて、脂汗を垂らしながら聴くものだ。
外で、ヘッドフォンから周囲に音をダダ漏れにしながら聴くなど、愚の骨頂。
馬鹿の極み。ミューズの女神に対する冒涜も甚だしい。
そんなに外で音楽が聴きたければ、おのれの前面、正三角形を形成する位置に2個の大型スピーカーがくるように、抱えるなり何なりして固定し、一音も聞き逃すまいと神経を集中して閉眼し、眉間にしわを寄せて、脂汗を垂らしながら聴けばよい。
もちろん、この場合、音楽のミューズに対する畏敬・崇拝の念、極度の集中力は言うに及ばず、正三角形の位置を1ミリもずらさないように、2個の大型スピーカーとおのれの位置を外出中ずっと維持して抱え続けるという体力が必要になる。
ただ、これだけでは、当然、ヘッドフォン以上に音は周囲に丸聞こえなわけで、防音室に入って、それを抱えて移動する等、周囲に対する配慮は別途考慮しなければならない。
音楽を聴くにはそれくらいの覚悟が必要だということだ。
それが出来ないのなら、外で音楽を聴くなどやめてしまえ。
何が「NO MUSIC, NO LIFE」だ。
CD屋のくだらん宣伝文句にノセられて、音楽のミューズに対する畏敬・崇拝の念を忘れ、音楽の正しい聴き方を忘れたような連中に、音楽について語る資格はない。
真摯に音楽に向き合おうと考えるならば、まず一切の音楽を捨て、音楽のない生活から始めるべきである。
「NO MUSIC, NEW LIFE」
ということを、下高井戸へ向かう電車の中で考えていた俺であった。
しかし、目の前の兄ちゃんは相変わらずである。
「つ●ぼになるバイ、兄ちゃん。」
下高井戸駅前


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NO MUSIC, NEW LIFE 2008” への2件のコメント

  1. |。・ω・|ノ コンバンワ
    最初の書き出しを見て
    ほんまや~~~もっとゆうたれ~~と思った
    ひなたですププ(〃>艸<)【笑】
    後半からは
    ほぅほぅ。。。そうなんだぁ。。。と
    真剣に読んでしまいました。
    ガメチョフさんのブログはたまに(笑)
    すっごい考えさせられる時があります。
    すっごいσ(´∀`●)ァタシには新鮮なんです

  2. ガメチョフ教授さん、のろ君です。こんにちは。
    「つ・ぼになるバイ」には楽しませていただきました(^^♪
    最近、「つ・ぼ」と聞いてもわからない人も多いかもしれませんね。
    「つ・ぼ」と「バイ」が懐かしくってコメントさせていただきました。

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