夕暮れ電車で幸せ気分

こないだから、あちこちで、六本木ヒルズがどうの、六本木の青山ブックセンターがどうのといった話を書いていたものの、実際には、ここ数年、六本木にはまったく足を向けていなかったし、向ける機会もなかった。
ところが、昨日、打ち合わせの為に外出した専務から、忘れ物をしたので届けてくれと言われ、夕方になって急に虎ノ門まで出かける事になった。ついでに、思い立って帰りに六本木に寄ってみた。
六本木ヒルズには興味がないので、営業を再開している筈の青山ブックセンターに行ってみる。品揃えもレイアウトも、閉店前とあまり変わった様子もない。とはいえ、今後もそうちょくちょく来る事はないだろう。青山ブックセンターだったら、足を向けるのはむしろ、青山の本店の方かな。


帰りは、恵比寿で山手線に乗り換えて、さらに、新宿で中央線に乗り換える。
中央線で、小さな子供を抱いた若い母親と一緒になった。子供は、頭を母親の肩に乗せてグッスリ眠りこんでいる。車内は混んでおり、母親は立ったままだ。ダラリと垂れた、その子の腕の先の小さな手を、見るともなく見ていたら、指がピクリと動いた。またしばらく見つめていると、またピクリと動く。子供は、口を軽く開けたまま、安心しきって母親の肩で眠り込んでいる。ただそれだけのことで、何だかちょっと幸せな気分になって、その子の指から目が離せなくなった。
そうやってしばらく見つめていると、母親の肩を手で軽く叩く者がある。あまりに子供の指を凝視していた俺は、ちょっとだけギクリとする。何事かと思ったら、ひとりの女性が母親に空いた席を勧めている。母親は、ありがとうございます、でも、すぐに降りますからと軽く会釈を返して辞退する。東中野で乗ってきた老人が、やはり同じように母親に席を勧める。
子供の小さな手を見つめて、一連の出来事を見ていた俺は、何だか少し幸せな気分になった。都会の人間は人情味に欠ける様なことが言われるが、こういうこともあるのだと思うと、脳ミソが軽くハイになった。
そんな、ちょっとだけハイな昨日、金曜日の夜。夕暮れ電車で幸せ気分。
昨日買ったCD。

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