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2005年01月31日

ネット・トラヴェラーの時代

一番最初にモデムを使って、ピーガーとネットに繋いだのは、アレはいつのことだったろう。今から12,3年前だったと思う。当時はインターネットなんて一般的ではなく、通信、ネットといえばまだまだパソコン通信の時代だった。

パソコン通信なんてやってると、ヲタクだと思われかねない時代でもあった。インターネットはおろか、パソコン通信すらそれほど一般的ではなかったということだ。

そんな時代に、ある日、ふとパソコン通信をやってみたくなった。理由は分からない。当時、パソコンなど持っておらず、持っているのはワープロ専用機だけだったのだが、生憎俺が持っていたのはパソコン通信には対応していなかった。(正確にはワープロ通信と言うべきか。当時はワープロ専用機の中にも通信が出来るものがあった。)

パソコンはまだまだ高価な時代で、買ったところで今ほど色々出来るわけでもない。そもそも、その頃はパソコンには全然興味がなかった。

しかし、どうにもパソコン通信という奴がやってみたくてたまらない。ある日思い切って、純国産のノートパソコンと、2400bpsという今では考えられないほど低速な(それでも当時は普通の)モデムを買った。ノートパソコンとはいっても、あまりにも分厚くて重い機械である。その上、画面は白黒、OSはいわゆるDOSという奴で、真っ黒の画面に白く文字が表示されるだけで、おまけに基本的には何をやるにもコマンドを打ち込む必要があった。こんな物でも、当時は20万円近くしたのだ。ハードディスク100Mで、「大容量」の時代だった。

一番最初にモデムを使って、ピーガーとネットに繋いだ時、繋がった時、そして、それ以降パソコン通信のアクセスポイントにアクセスする度、ホストコンピューターに繋がった証に、画面の下からログがせりあがってくる度に、何とも言えないワクワクする感じを味わった。「メールが●通届いています」なんてメッセージが届くたびにドキドキした。

いつか、時代はインターネットへと移行して行った。「インターネットマガジン」なんていう雑誌が刊行された時には、こんなもの誰が読むんだろう、1号か2号で廃刊だなと思った。しかし、その後確実にインターネットの利用者は増えていった。

一番最初にモデムを使って、ピーガーとインターネットに繋いだ時、繋がった時、いったいどういう感じを味わったのだったか。それなりに感動はあったと思うのだが、いまいち記憶がはっきりしない。パソコン通信のホストに初めて繋がった時ほどの感動やワクワク感はなかったように思う。

一番強く感じたのは、何だかガランとしているなということだ。確かに、世界中のコンテンツを見て回れるのはスゴイと思ったが、何だかそのガランとした感じはずっと抱き続けていた。お互い簡単に連絡は取れるのだが、一人ひとりはそれぞれ自分だけの島にポツンといるという、そんな感じがした。今さらパソコン通信に戻る気もしなかったが、インターネットには、パソコン通信に感じたようなワクワク、ドキドキする感じを一度も抱いた覚えがない。

時代は、一極集中型のパソコン通信から、分散型のインターネットの時代に移行したが、そんな分散型が主流の昨今、ソーシャルネットワークという、皆が一箇所のサーバに集って書き込みしたり、そのサーバーの内部でメッセージのやり取りをするのが流行っている。

かくいう俺もハマっている。そして、これは一体全体どういうことなんだろうとずっと考えている。これって、何かパソコン通信っぽいよなぁ、最初からそう感じていた。何故人はソーシャルネットワークにハマるのか。じっくり分析してみたいと思っているが、まだ果たせずにいる。



※初めて写真つきで紹介してもらったという意味で記念すべき本。あれから、もう10年か。

ネット・トラヴェラーズ〈’95〉
Net Traveller’s Tribune

翔泳社 1995-04
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投稿者 gamme : 2005年01月31日 18:48

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