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2004年11月29日

夕焼けの詩―三丁目の夕日

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うちの冷蔵庫の上には、青いアルマイトの弁当箱が乗っかっている。俺が幼稚園の頃使っていた奴だ。蓋にはしょぼいロケットの絵が描いてある。蓋の側面には、お袋が釘か何かで引っかいて書いた、俺の名前。

幼稚園児が使うような弁当箱だから、ごく小さなもので、今はもちろん使っていない。そもそも弁当箱を使うような機会も今はないけれど。

「物持ちが良い」と、よく言われる。自分では特にそうは思わないが、幼稚園の頃の弁当箱を取ってあるぐらいだから、そうなのかもしれない。もっとも、昔は、物を大事に使うなんて当たり前だった。物が不足しているわけではないけれど、簡単に捨てるほど有り余っているわけじゃない、適度に便利で、適度に不便。俺が子供の頃はそんな時代だった。この弁当箱は、俺が小学校の高学年になるまで現役だったはずだ。

古い日本映画を観ていて、当時の風俗やら景色やらを懐かしく感じることが多々ある。登場人物が、何だか皆のんびりしている。皆イイ人に見える。やくざまでが、そこはかとなくイイ人に見える。オヤジが感じる古いものへのノスタルジーといってしまえばそれまでだが。そういえば、昔よく遊んだ、土管が野積みしてあるような空き地はいつの間になくなってしまったのだろう。

本当は、携帯電話も、インターネットも、パソコンも、CDもDVDも、全部捨てて、風俗も景色もテクノロジーも何もかも、昭和30年代からせいぜい40年代ぐらいまでに戻せ、「ビルディング」じゃなくて「ビルヂング」だろ、何が六本木ヒルズだ、コロスぞ、液晶だ?プラズマだ?テレビジョンつったら、おめぇこういうのに決まってるじゃねぇか、これをよそんちに上がりこんで、皆で観るんだよ、画面が小せぇ?そりゃおめえ、レンズをブラウン管の前に付けたらいいんだよ、ツベコベ言ってんじゃねぇよ、コロスぞ、第一おめぇ、そんなウッスペラのテレビジョンじゃ、上にレースの敷物が置けねぇじゃねぇかよ、てなことを書こうとおもったんだけど、やめておく。やっぱ、オヤジのノスタルジーて言われるのがオチだ。あ、そういや、六本木ヒルズ、行ったことないや。

甦る昭和33年「三丁目の夕日」実写映画化

※実は俺、東京タワーよりおよそ1歳ほど歳上なんだよね。えへ。


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投稿者 gamme : 2004年11月29日 16:25

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