犬のきもち・猫のきもち・俺のきもち

40を過ぎるまで、ずっと犬派だった。

実家で飼っていたのは犬ばかりだったし、身近に猫というものがいなかったせいだと思う。野良猫は時々目にしたが、懐いてくる者はいなかった。猫というのは人間に懐かない冷たい連中だと勝手にそう思い込んでいたので、こちらから寄って行く気もなかった。

40代に2度引っ越ししたが、一度目の引っ越しの時、越した先の近所を歩いていると、ある家の軒先から、1匹のサビ猫が俺の顔を見るなりニャゴニャゴと鳴きながらやって来て体をすり寄せてきた。

「????」である。初めて会う猫である。そんなに懐かれる理由が見当たらない。
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